モーリタニアでは大西洋の近海を漁場とする漁業が盛ん。モーリタニアでよく食べられているセネガル料理のチェブジェン(Thieboudienne)などには魚が欠かせない。レストランなどでも魚の姿焼きや魚介類の煮込みなどが主なメニューに並ぶ。
ところが、私が普段行くようなスーパーマーケットなどでは魚介類はほぼ見かけない。一度小さな地元民向けの生鮮食品市場で見かけた魚を買ったらものすごく高かった(またはものすごくぼられた)ことがあった。市内最大規模の市場と言われているマルシェ・キャピタル近辺で魚を運搬しているのを見かけたことがあるが、この辺りは特に道路交通無法状態で自分で運転して行くのが気が進まない。そこで、我が家で料理洗濯を手伝ってくれているアミナタに頼んで、ヌアクショット市民の台所ともいえる漁港に隣接する魚市場に海鮮食材を買い求めに行くことにした。
毎日朝9時、正午、夕方4時ごろが漁船が返ってくる時間帯と聞き、市場に着いたのは9時過ぎ。魚が揚がってきてはいるようだがまだ売るのはこれかららしい。一度金曜の夕方に家族と来た時のほうがにぎわっていた記憶がある。それでも市場の中へ歩を進めていくと真鯛、舌平目、などなどいろいろなお魚が並んでいる(お魚全然詳しくないので正確な名前は割愛。。あしからず)。
鯛
こちらはイカ
↑こんな大きい魚が揚がっていることもある(写真は前回撮影)
もちろん値札が付いてるわけではないので売り手の言い値を元に交渉を開始。アミナタが結構頑張って交渉してくれるも、私が一緒にいると財布のありかを見透かされてなかなか下げてくれないようだ。それでも日本やヨーロッパの値段に比べたらずいぶん安い。真鯛を3匹100ウギア(約300円)で購入した。
これにイワシ5匹、チェブジェン用のお魚2匹を買った後、捌き人にお願いして鱗を取って内臓を出してもらう。一匹の捌き賃がだいたい10ウギア。切り取られた部分は無造作に床に捨て落とされる。足場が濡れていると思ってビーチサンダルで来たが、次回からゴム長靴でも履いて来たい。
そしてうわさに聞いていたカラスミも発見。特にカラスミが好きではないので買わなかったが、日本に帰るときにお土産として買いに来よう。
さらに市場を奥へ進むと漁船が到着する浜辺に出る。見る限りほぼすべての船が木造漁船。荷を下ろした後は、船を沖で停泊させるために20人がかりくらいで波に抗して押し戻している光景が見られる。もう少し効率よくできそうな気もしないではないが、これもモーリタニアならではのやり方なのだろう。。
↑力を合わせて漁船を沖へ押し戻す光景
後はイカとエビを1キロずつ購入し、帰路に着いた。実はこの日マグロも揚がってきていたが、我が家で消費するには大きいような気がしたので買わなかった。後で話を聞くとマグロがこの市場に姿を見せるのは毎日ではないとのこと。。。次回見たら他の魚を置いても必ず買うべし。
←チェ・ゲバラも見守っている
翌日、アミナタがチェブジェンを料理してくれた。
通常は全部一皿に盛られているがこんな風に別々に調理してくれた。左はトマトソースで煮たお米。真ん中はお魚と野菜を干し魚、干しカタツムリ、白ハイビスカスの蕾、タマリンドペーストなどなど多様な食材で煮込んである。そして右は買った魚から作ったすり身団子。ピリッとした味付けで白ご飯とも合いそうな味。時間をかけて丁寧に料理してくれた。どれも私がこれまで食べたチェブジェンをはるかに上回る美味しさだった。感謝していただいた。
作り方を見るのをすっかり忘れていたことに食べてから気が付いたのだった。。。