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ニホンゴ・レッスン

2年ほど前から、子どもに日本語を教えている。コロナで1年ほど間が空いたので、正確には1年強になる。週に一度、6回ワン・クールというかなりゆったりペースだ。私は日本語教師の資格を持っているわけではないが、数年前から友人に勧められて、オンラインでの日本語レッスンをやっていた。始めたばかりの頃は市販の教科書を使っていたが、私自身の外国語習得の経験を踏まえて、だんだん自分で教材を作るようになった。特に子どもが学習者の場合は、彼らとおしゃべりしながら彼らの世界に入り込んで、彼らの知りたいことだったり、言えるようになりたいことだったり、好きなキャラクターについて話をしながら、それらを教材の中に入れていく。基本的には、生徒同士のダイアローグで、ロールプレイをしながら何度も同じ言葉や使いまわしを繰り返していく、というものだ。

モーリタニアに来て一年ほどたった頃、子どものクラスメートの家に行った。お母さんがエ―ルフランスのクルーで、時々日本にも行っていて、ペットの犬に「ナラ(奈良県から来る)」と名付けるくらい日本好きだ。実際台所も日本の食料品でいっぱい。そこにもう一人のフレンチ・スクールに通う女の子のお父さんがやってきた。私が日本人だと言ったら、「息子がアニメ大好きで、日本語習いたがっている」と言われた。さらにその週末には、ご主人のお父様が元駐日モーリタニア大使で、自分の子どもも日本大好きというフランス人女性に会い、「日本語教えないの?」と言われた。そこで先述のエールフランスのお母さんから、「日本語クラスやればいいじゃん!」と言われて、もうオンラインレッスンもやらなくなって何となく遠ざかっていたが、重い腰を上げるに至った。

モーリタニアは旧フランス領で、公用語ではないものの、一般的にフランス語が話されていて、メディアなどもフランスのものがそのまま流れている。フランスで、日本のアニメが大人気なのはよく知られているが、フランスに住んでいたころは、世代としてはティーン以上、という印象だった。つまり日本みたいにサザエさんやドラえもんで家族も一緒に見れてキャラクターも知っていて、という対象ではなく、若者のサブカルチャー的に切り取られた、趣味としてのアニメ、という感じだった。ところがモーリタニアに来た初めのころに、Institute Françaisの図書館に子どもを連れて遊びに行ったら、たくさん、それこそたくさんの仏訳された日本のマンガ本があり、小学生くらいの地元アフリカ系の子どもたちが楽しそうに読んでいた。一般的な物の流通状況から言って、モーリタニアは、ヨーロッパやマグレブ地域のお下がり物、半端ものややってくる傾向がある。ということはこれらのマンガ本はいろんなところで読まれてやってきたと推測する。フランスで持っていた、アニメは若者サブカルチャーとして存在するという印象は、私が知らなかっただけかもしれない、と思いはじめた。そしてこの日本語レッスンを始めてかなりフランスの子供たちの間にも日本のアニメは浸透していることが分かってきた。

レッスンを始めた頃に13歳の中学生だったエリオットは、「僕のヒーローアカデミア」が大好きで、将来アニメにかかわる仕事がしたいと言っている。9歳だったイザエは両親と二度日本に行って楽しかったのと、アニメ大好き。二人ともなかなか記憶力・思考力があって、私のフランス語の説明でもすぐ理解してくれる。10月からはアンドレスも加わった。生徒には、必ず日本の名前を付けるようにしていて、エリオットはかずき、イザエはゆか、アンドレスはぜんいつ(鬼滅の刃のキャラだが、私は見たこともないので全く知らなかった)。しかしよく日本のアニメ知ってるなあと思ったら、フランス系のケーブル/サテライトTVCanal+では、J-oneという日本のアニメに特化したチャンネルがるのだ。このチャンネルで一日中日本のアニメ(フランス語吹き替え)をみているらしい。

そして先週、第4回目のコースが終了した。テーマは「お誕生日」。招待状をもらったり、プレゼントを買いに行ったりする場面を設定して最後はバースデーパーティーで終わる。修了証も授与して、最後は見学者たちも交えてケーキとお茶で談話。フランス含めヨーロッパでは、この最後にパーティーというのが重要で、テストしてはいさよなら、という訳にはいかない。今回は日本茶と手作りケーキで終了をお祝いした。

私の目標としては、私自身がモーリタニア永住ではないことを前提に、彼らがいつかまた日本語を学習したい、と思ったときに、いくつかの場面に適切なフレーズがするっと出てきて、教える人が彼らの学習経験を見て取れるようにしてあげることである。子どもたち相手は楽しいが、こちらがちゃんと準備していないとすぐ気がそれてしまうので、それなりに時間やエネルギーは使う。毎回楽しんでくれているようなので、彼らが望む限りは続けていこうと思っている。私自身も、長くなってきた海外生活の中で、自分が育ってきた言語についてより多く触れたり考えたりする機会を持つことができて感謝している。

第4回日本語コース修了おめでとう!これからも頑張ってね!

修了証授与!
日本語ドラマ本番中!フランス語字幕付き!

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